2023年08月22日
夏休みは実家に帰省と槍ヶ岳縦走で日本の3000m峰21座完踏!!
8月10日(木)~8月14日(月)
今年も夏は、コロナも収まりつつあるし久しぶりに実家に帰省しつつ北アルプスへ行くことに。さて、どんなルートがいいかな。
調べてみると、日本には3000mを越える山が21座あるんですが、今まで何と19座も登っているんですよね。登っていないのは大喰岳(3101m)と中岳(3084m)という比較的マイナーな2座。どちらも槍ヶ岳のそばなんですね。遠回りにはなるけどまだ歩いていない西鎌尾根から槍ヶ岳に登って、大喰岳と中岳を縦走すれば日本の3000m峰完踏になるじゃないですか。
ということで、ちょっと大変なルートではありますが、頑張ってみることにしましたよ。どうなりますか。

右がご存知槍ヶ岳、真ん中が大喰岳、左が中岳で3つ子のように連なっているんですね。
8月10日(木)
今年の渋滞予測を見ると、8月10日の朝から渋滞が予測されていたので、9日の夜自宅を出発。諏訪のサービスエリアで仮眠して登山口のある新穂高ロープウェイの駐車場には朝5時に到着しました。
予想はしていましたが、登山口に近い無料の駐車場はすでに満車。無料の駐車場だとロープウェイをひとつ登ったところにある鍋平しかありません。鍋平に停めると下り30分、登りで40分歩くのが追加になるんですよね。
ちょっと迷ったんだけど、思い切って有料の駐車場に停めることにしました。2泊で2400円お支払い。

おにぎりを食べて、準備をしたらさあ行きますか。
今回のザックはこんな感じ。水3L持って13kgです。2泊の装備としては頑張りましたよ。テントは超軽量のビッグスカイ・ウィスプ1Pです。

まずは林道歩きでスタートです。この道は笠ヶ岳や三俣蓮華に行ったときに通ったので勝手知ったる道です。

途中にお助け風穴があるんですよね。エアコンのような冷たい風が出てきて汗ばむ顔に当たると気持ちいい。

スタートから1時間20分ほど林道を歩くと、わさび平小屋に到着しました。ここでひと休憩。

小屋を後にして20分ほど歩くといよいよ小池新道の入り口です。さすが夏休み、たくさんの登山者がいますね。

小池新道は、本日テン場に泊まらせてもらう双六小屋のご主人の小池さんが作った道なんですよね。今でも2代目か3代目の小池さんが道を整備してくださっています。岩がランダムに並んでいるようで実は階段のように足がフラットに置けるように並べなおされています。

本日、お天気良いですね。
お天気はありがたいんですが、坂もキツイし直射日光もキツイぞ。

振り返ると遠くに見えるのは焼岳ですね。なかなか眺めが良くて気持ちいい。

スタートから4時間、一旦平らになったと思ったら鏡池に到着しました。ここは槍ヶ岳が見える絶景ポイントなんですよね。池に槍の穂先も映っているじゃないですか!ついてるなぁ
明日は、ちょうど見えている槍の左から右の稜線を歩くんですよね。楽しみです。

おなかがすいたのでランチタイムにします。ランチはいつものスナックサンド、チキンタルタル味です。この手のパンってサンドイッチ風ですが、常温保存で賞味期限が長いんですよ。手軽で美味しくて一石二鳥です。

お腹がいっぱいになったら先を急ぎましょう。鏡池からすぐに鏡平山荘がありました。ベンチで休憩している人がたくさんいますね。快適そうですが、休憩したばかりなのでここはスルーします。

小屋から急登をがっつり登ったら弓折乗越に出ました。やっと尾根上に出たんですね。

地図で見ると、すぐ近くに弓折岳という山の山頂があるみたいのなので、反対方向ですが行ってみることにします。

10分ほど登ると、本当に弓折岳の山頂がありました。お手軽に北アルプスの1座ゲットです。

ここから先は、抜戸岳・笠ヶ岳への稜線が続いています。いつか歩いてみたいところですが、下山があの笠新道だと思うとちょっと萎えますね。

さあ、寄り道はこのくらいにして本来の稜線歩きに戻ります。奥に小さく本日泊りの双六小屋が見えましたよ!

右手には、明日歩く西鎌尾根の稜線が槍ヶ岳に向かって伸びています。これは楽しみ♪

さあ、双六小屋に到着しました。テント場にはたくさんのテントが並んでいますが、まだ張るスペースはいっぱいありそうです。

小屋で受付をしたらさっそく設営です。池のほとりの眺めの良い場所が空いていましたよ。今日はちょっと風がありますね。トレッキングポール1本で立てるウィスプ1は風にはあまり強くなさそうな感じ。ストームガードをしっかりと張りましたが、けっこう風に煽られるのでちょっと心配です。

ちなみにボクが使っているトレッキングポールはコレ。一時はカーボンを使っていたんですが、折れちゃってからは比較的丈夫なアルミにしました。ブラックダイヤモンドで3分割出来て雪山にも使えるのはこれだけです。


クリック
本当はお疲れ~って一杯飲みたいところですが、前回登らなかったので裏山の双六岳に登りに行かなくちゃ。空身で双六岳を往復しに行きます。

なかなかの急登を登り切ると、広くてフラットな山頂部が待っていました。ピークまで一直線に道が伸びています。

お散歩気分で山頂へ。

山頂に到着♪ 双六岳ゲットです。

山頂の向こうには大パノラマが広がっていました。
この姿がかっこいいのは黒部五郎岳ですね。

右手には三俣蓮華岳方面への稜線です。右奥は鷲羽岳、左奥は薬師岳の黒部の源流方面、これを見ていると先に行きたくなっちゃいますが今回はガマン。

今回はあくまで西鎌尾根から槍さんやって3000m峰21座完踏が目的ですからね。来た道を引き返しましょう。

帰りの道は槍に向かって真っすぐ伸びていますね。天空の滑走路みたいでかっこいい!

さあ、テン場に戻って来ましたよ。さすがにテントも増えてきましたね。

それでは、お待ちかねの一杯やりましょう。自販機で買ったチューハイはキンキンに冷えていました。電気は偉大だ。

ちょっと早いけど夕食も食べちゃいましょう。今日はチキンラーメンをいただきますよ。美味しくて軽くて玉子インすれば栄養も満点!言うこと無し。

日が暮れるころなってガスってきました。すがに寒くなってきましたね。ウルトラライトダウンを着てダウンシュラフにもぐりこんだらおやすみなさい。

テント内のランタンはコレで決まり。明るくて軽くて場所も取らない上に、太陽光で充電できちゃいます。


クリック
8月11日(金)
朝は3時に起床。朝食はチョコレート味のグラノーラをスキムミルクでいただきます。軽くてちゃっちゃと食べられるのがいいですね。

明るくなり始めた4時30分にスタートします。夏場は涼しいうちに距離稼がないと。

西鎌尾根の起点、籾沢岳に登っていると太陽が昇ってきました。北アルプスの峰々が輝きます。

籾沢岳を登ると槍さんが見えましたよ!

当たり前ですが西鎌尾根は槍さんに続いているので、ずーっと槍さんを見ながらの稜線歩き。これはたまりませんな!

これほど槍さんをずーっと見られるルートは他にないでしょうね。

ニヤニヤが止まりません(笑)

さあ、いよいよ最後の急登が始まりますよ。

振り返ると、今まで歩いて来た西鎌尾根の稜線です。

岩場の尾根は巻きます。ザレているので慎重に。

歩いて来た巻き道を振り返る。

さあ、ひたすら最後の急登を登ります。さすがに近すぎて槍さんは見えなくなっちゃいました。

ようやく穂先の直下まで来ましたよ。

登り切ると見覚えのある槍ヶ岳山荘がありました。

穂先が良く見えますね。登山者が登っているのも見えます。まだ時間が早いようですね。それほど混んでいません。

腹ごしらえしたらさっさと登ることにしましょう。ランチは本日もスナックサンドです。

さあ、いよいよ穂先に取り付きますよ。先行者さんと話しながら山頂を目指します。

下を見るとやっぱり高度感がありますね。おー怖!

さあ、最後の梯子です。これを登れば山頂が待っています。

梯子のぼり切って山頂に到着♪ おばちゃんに拍手されちゃいました(笑)
これで3度目の穂先です。

お社の裏側にあるのが北鎌尾根の稜線です。槍沢、東鎌尾根、西鎌尾根と槍へのルートは3ルートやりましたが、残るは北鎌なんですよね。有名な登山家が何人も亡くなっているという最難関の北鎌、いつかやりたいような・・・ やりたくないような・・・

こっちは昨年歩いた表銀座の稜線ですね。北アルプスには素晴らしい稜線がいっぱいあります。

そしてこれがこれから歩く大喰岳、中岳、南岳への稜線。こちらも素晴らしい。

山頂ではいろんな方とお話をして、ずいぶんのんびりしちゃいました。
さあ、降りましょうか。時間が遅くなったせいか下りはちょっと渋滞が始まっていました。

さあ、それでは縦走の続きです。いよいよ大喰岳に登りますよ。

振り返ると、穂先と槍ヶ岳山荘が見えます。

急登を登ったら、3000m峰20座目大喰岳山頂に到着です。ちなみにこの山頂は3101mで日本10番目の高峰です。

お次はいよいよ21座の中岳ですよ。一旦下って中岳を目指します。

さあ、中岳への登りです。

さすがラスボス、簡単ではないですね。梯子が現れました。

梯子を登り切ると・・・じゃーん!
中岳山頂に到着です。これで3000m峰21座完踏です。日本の3000m峰を全部登ったということは、当然日本一の標高の高いに山1番から21番まで登ったということになるんですよね。調べてみたらすでに22番から34番も登っていました。

自撮りで記念撮影。ミッションコンプリートです。

さあ、先を急ぎましょう。中岳山頂から大きく下ったらお次は南岳を目指します。

鞍部まで下りて振り返ると、今歩いて来たばかりの稜線。右から槍ヶ岳、大喰岳、中岳です。

さあ、最後の南岳への稜線歩きが始まりますよ。

この稜線、もっとなだらかなイメージだったけど意外とアップダウンあるんですね。岩場も始まりました。

けっこう岩ゴロゴロの道を歩いて天狗平への分岐まで来ました。去年は槍沢からここまで登ってきたんですよね。

振り返ると今歩いて来た稜線が。ここから見ると歩きやすそうに見えるんですよね。

さあ、南岳山頂に到着しました。南岳も一応標高3032mで3000m峰なんですよね。

山頂直下に南岳小屋が見えました。

本日は山の日なので、テン場も相当混むかと思われましたが、まだ早いからか笠ヶ岳ビューの眺めの良い場所に張ることができました。

一杯飲んだら、小屋裏の高台に大キレットを見に行きましょう。
明らかにヤバイやつですね。昨年はこれを歩いたなんて・・・よく歩いたものだ。

反対側も眺めが良さそうなので行ってみました。ポツンと立っている人が絵になりますね。この後、この方と意気投合してテン場で宴会になりました(笑)

そうこういしているうちに、テン場の向こうに日が沈んでいきました

さあ、夕食にしましょう。夕食は最近のお気に入り、日清の袋麺の焼きそばです。玉子を一緒に茹でてソース混ぜ混ぜしていただきました。

ブランデーチビチビやったらおやすみなさい。
8月12日(土)
朝はやっぱり3時に起床。朝食は温かいものを食べようとカップヌードルご飯にしてみました。

う~ん、この味は普通に麺の方が良いな。なんかご飯とは会わない感じ。どうせならリフィルのカップヌードルにすればよかった。

さあ、下山しましょうか。
実はこの下山ルートが今回の登山の一番の問題点なんです。南岳新道といって登山者から酷道と呼ばれて嫌われている道なんですよ。なんとかこのルートを通らない方法を考えたんですが、大キレットを越えるか槍まで戻るしかないんですよね。
ということで、あきらめて南岳新道を下ります。

なんだか危ない橋が出てきましたよ。

ザレた岩場の下りが続きます。滑らないように慎重に。
あれ?このまま岩ゴロゴロを下るのかと思ったら、登山道が尾根に登って行きますね。

ちょこっと登って尾根上に出ました。

尾根上だけあって、なかなか眺めがいいですよ。穂高連峰にも朝日が当たってきました。

笠ヶ岳方面もキレイです。

うわっ! ずーっと下に槍平小屋が見えますね。かなりの急角度。これを下るんだ。

途中に救急箱が設置してありました。親切ですね。

酷道といわれる所以はこの辺りですね。木で作られた梯子はところどころで崩れ落ちていました。

コースタイムで3時間30分だったんですが、2時間30分くらいと思ったより早く槍平小屋まで下りて来ました。
結論的に南岳新道は「酷い道」でしたが「ものすごく酷い道」ではなかったかな。

小屋の裏には広くて平らなテン場がありました。

テン場の手前の水場は水がじゃんじゃん出ていました。冷たくてウマイ!

後は沢沿いのなだらかな道になります。涸沢岳が美しい。

開けた場所に出ましたよ。ここが滝谷出合ですね。クライマーたちはここから北穂高岳の岸壁に登るようです。

滝谷の沢に架かる細い橋、轟々と水が流れているので緊張しちゃいました。

次に開けた場所が白出沢です。砂防ダムは石で埋まっちゃっていますね。

澤のちょっと先にあるここが白出沢出合ですね。奥穂の小屋から真っすぐ下ってこれるんですよね。そのうち歩いてみたいものです。

白出沢出合からは車も通れる林道になりました。とぼとぼ林道を歩いていると穂高平小屋に到着しました。

ここで最後のランチタイム。パンってこんなおかずパンでも常温で持ち歩けて便利ですよね。

この小屋の前からショートカットコースなるものがあるらしいんですよ。林道歩きを大幅に短縮できるようです。話には聞いていたんですが、目印も何もないので危うく見落とすところでした。

うわ!なかなかの急な下りですね。まあ、南岳新道を下ってきた人には何てことも無い訳ですが。

ガツっと下ったら林道に出ました。登り口にはちゃんと看板もあって分かりやすいですね。かなりの距離の林道をショートカットできたみたいなので、これはアリですね。

またまた林道をとぼとぼ歩いてロープウェイが見えたら林道の終点です。、

2400円支払ったおかげで鍋平まで40分登り返すことなくゴールです。

お疲れさまでした~ ということで夏の北アルプス縦走が終了です。
3000m峰21座無事完踏できました。
おまけ
コロナ禍で何年ぶりかに諏訪の実家に帰りました。
もう何回も当ブログには登場していますが、実家のお風呂は源泉かけ流し。ということで実家に着いたらすぐ風呂に。
久しぶりのサービスショットです(笑)

夜はおふくろさん、兄貴と焼肉食べ放題!

翌日はおやじさんのお墓参りして、長野県民のソウルフード、テンホウラーメンをいただきました。帰ってくると無性にこれが食べたくなるんですよね。

午後は例年だと軽く霧ケ峰でもお散歩するところですが、どうも天気が怪しいみたい。
博物館か美術館でも行こうかなと思っていたところで閃いた。
郷土の作家新田次郎の記念館みたいなものがあるって聞いたような気がするな。ネットで調べたら諏訪市立図書館の2階にあるというじゃないですか。市立図書館ってどこにあるんだろう?調べてみたらナント!わが家から徒歩3分(笑)
文化センターの一角に図書館がありました(ボクが住んでいた時は図書館ってもっと遠くにあったんです)。

立派な図書館ですね。2階に行くと・・・

新田次郎の書斎が再現されていました。ちなみに新田次郎というのはペンネームで、生まれ育った地域である諏訪市角間新田(かくましんでん)の新田から取ったということです。新田の次男で次郎なんですね。知らなかった。

新田次郎が使っていたピッケルや登山靴も展示されていました。

これは映画にもなった「剱岳 点の記」の取材メモや生原稿。新田先生は小説を書くときに必ず現場の山に登ったんだそうです。

愛用の筆記具なんかも展示されていました。

新田先生の蔵書はナント、貸出もしているようです。すごくないですか。

さすが、気象学や地理学の難しい本もたくさん並んでいました。
ボクが展示コーナーにいる間、2階に登ってくる人は一人もなく、じっくりと見学できましたよ。まさかこんな近くにこんな施設があったとは!!

ふらっとお隣の文化センターに寄ると、平山郁夫の版画展なるものをやっていました。
実際にはシルクスクリーンやリトグラフの販売会だったみたいですが、入場無料とのことなので目の保養になりました。

夜はいつものように実家でお寿司と地酒。

家の前で花火を見て今回の帰省が終了。

まあ、毎回変わらない帰省のパターンですがここ数年はコロナ禍で出来なかったんですよね。
ようやく日常が戻って来ました。
年に2度くらいはおふくろさんに顔見せないとな。またこのパターンで帰省しよう。
今年も夏は、コロナも収まりつつあるし久しぶりに実家に帰省しつつ北アルプスへ行くことに。さて、どんなルートがいいかな。
調べてみると、日本には3000mを越える山が21座あるんですが、今まで何と19座も登っているんですよね。登っていないのは大喰岳(3101m)と中岳(3084m)という比較的マイナーな2座。どちらも槍ヶ岳のそばなんですね。遠回りにはなるけどまだ歩いていない西鎌尾根から槍ヶ岳に登って、大喰岳と中岳を縦走すれば日本の3000m峰完踏になるじゃないですか。
ということで、ちょっと大変なルートではありますが、頑張ってみることにしましたよ。どうなりますか。
右がご存知槍ヶ岳、真ん中が大喰岳、左が中岳で3つ子のように連なっているんですね。
8月10日(木)
今年の渋滞予測を見ると、8月10日の朝から渋滞が予測されていたので、9日の夜自宅を出発。諏訪のサービスエリアで仮眠して登山口のある新穂高ロープウェイの駐車場には朝5時に到着しました。
予想はしていましたが、登山口に近い無料の駐車場はすでに満車。無料の駐車場だとロープウェイをひとつ登ったところにある鍋平しかありません。鍋平に停めると下り30分、登りで40分歩くのが追加になるんですよね。
ちょっと迷ったんだけど、思い切って有料の駐車場に停めることにしました。2泊で2400円お支払い。
おにぎりを食べて、準備をしたらさあ行きますか。
今回のザックはこんな感じ。水3L持って13kgです。2泊の装備としては頑張りましたよ。テントは超軽量のビッグスカイ・ウィスプ1Pです。
まずは林道歩きでスタートです。この道は笠ヶ岳や三俣蓮華に行ったときに通ったので勝手知ったる道です。
途中にお助け風穴があるんですよね。エアコンのような冷たい風が出てきて汗ばむ顔に当たると気持ちいい。
スタートから1時間20分ほど林道を歩くと、わさび平小屋に到着しました。ここでひと休憩。
小屋を後にして20分ほど歩くといよいよ小池新道の入り口です。さすが夏休み、たくさんの登山者がいますね。
小池新道は、本日テン場に泊まらせてもらう双六小屋のご主人の小池さんが作った道なんですよね。今でも2代目か3代目の小池さんが道を整備してくださっています。岩がランダムに並んでいるようで実は階段のように足がフラットに置けるように並べなおされています。
本日、お天気良いですね。
お天気はありがたいんですが、坂もキツイし直射日光もキツイぞ。
振り返ると遠くに見えるのは焼岳ですね。なかなか眺めが良くて気持ちいい。
スタートから4時間、一旦平らになったと思ったら鏡池に到着しました。ここは槍ヶ岳が見える絶景ポイントなんですよね。池に槍の穂先も映っているじゃないですか!ついてるなぁ
明日は、ちょうど見えている槍の左から右の稜線を歩くんですよね。楽しみです。
おなかがすいたのでランチタイムにします。ランチはいつものスナックサンド、チキンタルタル味です。この手のパンってサンドイッチ風ですが、常温保存で賞味期限が長いんですよ。手軽で美味しくて一石二鳥です。
お腹がいっぱいになったら先を急ぎましょう。鏡池からすぐに鏡平山荘がありました。ベンチで休憩している人がたくさんいますね。快適そうですが、休憩したばかりなのでここはスルーします。
小屋から急登をがっつり登ったら弓折乗越に出ました。やっと尾根上に出たんですね。
地図で見ると、すぐ近くに弓折岳という山の山頂があるみたいのなので、反対方向ですが行ってみることにします。
10分ほど登ると、本当に弓折岳の山頂がありました。お手軽に北アルプスの1座ゲットです。
ここから先は、抜戸岳・笠ヶ岳への稜線が続いています。いつか歩いてみたいところですが、下山があの笠新道だと思うとちょっと萎えますね。
さあ、寄り道はこのくらいにして本来の稜線歩きに戻ります。奥に小さく本日泊りの双六小屋が見えましたよ!
右手には、明日歩く西鎌尾根の稜線が槍ヶ岳に向かって伸びています。これは楽しみ♪
さあ、双六小屋に到着しました。テント場にはたくさんのテントが並んでいますが、まだ張るスペースはいっぱいありそうです。
小屋で受付をしたらさっそく設営です。池のほとりの眺めの良い場所が空いていましたよ。今日はちょっと風がありますね。トレッキングポール1本で立てるウィスプ1は風にはあまり強くなさそうな感じ。ストームガードをしっかりと張りましたが、けっこう風に煽られるのでちょっと心配です。
ちなみにボクが使っているトレッキングポールはコレ。一時はカーボンを使っていたんですが、折れちゃってからは比較的丈夫なアルミにしました。ブラックダイヤモンドで3分割出来て雪山にも使えるのはこれだけです。
クリック
本当はお疲れ~って一杯飲みたいところですが、前回登らなかったので裏山の双六岳に登りに行かなくちゃ。空身で双六岳を往復しに行きます。
なかなかの急登を登り切ると、広くてフラットな山頂部が待っていました。ピークまで一直線に道が伸びています。
お散歩気分で山頂へ。
山頂に到着♪ 双六岳ゲットです。
山頂の向こうには大パノラマが広がっていました。
この姿がかっこいいのは黒部五郎岳ですね。
右手には三俣蓮華岳方面への稜線です。右奥は鷲羽岳、左奥は薬師岳の黒部の源流方面、これを見ていると先に行きたくなっちゃいますが今回はガマン。
今回はあくまで西鎌尾根から槍さんやって3000m峰21座完踏が目的ですからね。来た道を引き返しましょう。
帰りの道は槍に向かって真っすぐ伸びていますね。天空の滑走路みたいでかっこいい!
さあ、テン場に戻って来ましたよ。さすがにテントも増えてきましたね。
それでは、お待ちかねの一杯やりましょう。自販機で買ったチューハイはキンキンに冷えていました。電気は偉大だ。
ちょっと早いけど夕食も食べちゃいましょう。今日はチキンラーメンをいただきますよ。美味しくて軽くて玉子インすれば栄養も満点!言うこと無し。
日が暮れるころなってガスってきました。すがに寒くなってきましたね。ウルトラライトダウンを着てダウンシュラフにもぐりこんだらおやすみなさい。
テント内のランタンはコレで決まり。明るくて軽くて場所も取らない上に、太陽光で充電できちゃいます。
クリック
8月11日(金)
朝は3時に起床。朝食はチョコレート味のグラノーラをスキムミルクでいただきます。軽くてちゃっちゃと食べられるのがいいですね。
明るくなり始めた4時30分にスタートします。夏場は涼しいうちに距離稼がないと。
西鎌尾根の起点、籾沢岳に登っていると太陽が昇ってきました。北アルプスの峰々が輝きます。
籾沢岳を登ると槍さんが見えましたよ!
当たり前ですが西鎌尾根は槍さんに続いているので、ずーっと槍さんを見ながらの稜線歩き。これはたまりませんな!
これほど槍さんをずーっと見られるルートは他にないでしょうね。
ニヤニヤが止まりません(笑)
さあ、いよいよ最後の急登が始まりますよ。
振り返ると、今まで歩いて来た西鎌尾根の稜線です。
岩場の尾根は巻きます。ザレているので慎重に。
歩いて来た巻き道を振り返る。
さあ、ひたすら最後の急登を登ります。さすがに近すぎて槍さんは見えなくなっちゃいました。
ようやく穂先の直下まで来ましたよ。
登り切ると見覚えのある槍ヶ岳山荘がありました。
穂先が良く見えますね。登山者が登っているのも見えます。まだ時間が早いようですね。それほど混んでいません。
腹ごしらえしたらさっさと登ることにしましょう。ランチは本日もスナックサンドです。
さあ、いよいよ穂先に取り付きますよ。先行者さんと話しながら山頂を目指します。
下を見るとやっぱり高度感がありますね。おー怖!
さあ、最後の梯子です。これを登れば山頂が待っています。
梯子のぼり切って山頂に到着♪ おばちゃんに拍手されちゃいました(笑)
これで3度目の穂先です。
お社の裏側にあるのが北鎌尾根の稜線です。槍沢、東鎌尾根、西鎌尾根と槍へのルートは3ルートやりましたが、残るは北鎌なんですよね。有名な登山家が何人も亡くなっているという最難関の北鎌、いつかやりたいような・・・ やりたくないような・・・
こっちは昨年歩いた表銀座の稜線ですね。北アルプスには素晴らしい稜線がいっぱいあります。
そしてこれがこれから歩く大喰岳、中岳、南岳への稜線。こちらも素晴らしい。
山頂ではいろんな方とお話をして、ずいぶんのんびりしちゃいました。
さあ、降りましょうか。時間が遅くなったせいか下りはちょっと渋滞が始まっていました。
さあ、それでは縦走の続きです。いよいよ大喰岳に登りますよ。
振り返ると、穂先と槍ヶ岳山荘が見えます。
急登を登ったら、3000m峰20座目大喰岳山頂に到着です。ちなみにこの山頂は3101mで日本10番目の高峰です。
お次はいよいよ21座の中岳ですよ。一旦下って中岳を目指します。
さあ、中岳への登りです。
さすがラスボス、簡単ではないですね。梯子が現れました。
梯子を登り切ると・・・じゃーん!
中岳山頂に到着です。これで3000m峰21座完踏です。日本の3000m峰を全部登ったということは、当然日本一の標高の高いに山1番から21番まで登ったということになるんですよね。調べてみたらすでに22番から34番も登っていました。
自撮りで記念撮影。ミッションコンプリートです。
さあ、先を急ぎましょう。中岳山頂から大きく下ったらお次は南岳を目指します。
鞍部まで下りて振り返ると、今歩いて来たばかりの稜線。右から槍ヶ岳、大喰岳、中岳です。
さあ、最後の南岳への稜線歩きが始まりますよ。
この稜線、もっとなだらかなイメージだったけど意外とアップダウンあるんですね。岩場も始まりました。
けっこう岩ゴロゴロの道を歩いて天狗平への分岐まで来ました。去年は槍沢からここまで登ってきたんですよね。
振り返ると今歩いて来た稜線が。ここから見ると歩きやすそうに見えるんですよね。
さあ、南岳山頂に到着しました。南岳も一応標高3032mで3000m峰なんですよね。
山頂直下に南岳小屋が見えました。
本日は山の日なので、テン場も相当混むかと思われましたが、まだ早いからか笠ヶ岳ビューの眺めの良い場所に張ることができました。
一杯飲んだら、小屋裏の高台に大キレットを見に行きましょう。
明らかにヤバイやつですね。昨年はこれを歩いたなんて・・・よく歩いたものだ。
反対側も眺めが良さそうなので行ってみました。ポツンと立っている人が絵になりますね。この後、この方と意気投合してテン場で宴会になりました(笑)
そうこういしているうちに、テン場の向こうに日が沈んでいきました
さあ、夕食にしましょう。夕食は最近のお気に入り、日清の袋麺の焼きそばです。玉子を一緒に茹でてソース混ぜ混ぜしていただきました。
ブランデーチビチビやったらおやすみなさい。
8月12日(土)
朝はやっぱり3時に起床。朝食は温かいものを食べようとカップヌードルご飯にしてみました。
う~ん、この味は普通に麺の方が良いな。なんかご飯とは会わない感じ。どうせならリフィルのカップヌードルにすればよかった。
さあ、下山しましょうか。
実はこの下山ルートが今回の登山の一番の問題点なんです。南岳新道といって登山者から酷道と呼ばれて嫌われている道なんですよ。なんとかこのルートを通らない方法を考えたんですが、大キレットを越えるか槍まで戻るしかないんですよね。
ということで、あきらめて南岳新道を下ります。
なんだか危ない橋が出てきましたよ。
ザレた岩場の下りが続きます。滑らないように慎重に。
あれ?このまま岩ゴロゴロを下るのかと思ったら、登山道が尾根に登って行きますね。
ちょこっと登って尾根上に出ました。
尾根上だけあって、なかなか眺めがいいですよ。穂高連峰にも朝日が当たってきました。
笠ヶ岳方面もキレイです。
うわっ! ずーっと下に槍平小屋が見えますね。かなりの急角度。これを下るんだ。
途中に救急箱が設置してありました。親切ですね。
酷道といわれる所以はこの辺りですね。木で作られた梯子はところどころで崩れ落ちていました。
コースタイムで3時間30分だったんですが、2時間30分くらいと思ったより早く槍平小屋まで下りて来ました。
結論的に南岳新道は「酷い道」でしたが「ものすごく酷い道」ではなかったかな。
小屋の裏には広くて平らなテン場がありました。
テン場の手前の水場は水がじゃんじゃん出ていました。冷たくてウマイ!
後は沢沿いのなだらかな道になります。涸沢岳が美しい。
開けた場所に出ましたよ。ここが滝谷出合ですね。クライマーたちはここから北穂高岳の岸壁に登るようです。
滝谷の沢に架かる細い橋、轟々と水が流れているので緊張しちゃいました。
次に開けた場所が白出沢です。砂防ダムは石で埋まっちゃっていますね。
澤のちょっと先にあるここが白出沢出合ですね。奥穂の小屋から真っすぐ下ってこれるんですよね。そのうち歩いてみたいものです。
白出沢出合からは車も通れる林道になりました。とぼとぼ林道を歩いていると穂高平小屋に到着しました。
ここで最後のランチタイム。パンってこんなおかずパンでも常温で持ち歩けて便利ですよね。
この小屋の前からショートカットコースなるものがあるらしいんですよ。林道歩きを大幅に短縮できるようです。話には聞いていたんですが、目印も何もないので危うく見落とすところでした。
うわ!なかなかの急な下りですね。まあ、南岳新道を下ってきた人には何てことも無い訳ですが。
ガツっと下ったら林道に出ました。登り口にはちゃんと看板もあって分かりやすいですね。かなりの距離の林道をショートカットできたみたいなので、これはアリですね。
またまた林道をとぼとぼ歩いてロープウェイが見えたら林道の終点です。、
2400円支払ったおかげで鍋平まで40分登り返すことなくゴールです。
お疲れさまでした~ ということで夏の北アルプス縦走が終了です。
3000m峰21座無事完踏できました。
おまけ
コロナ禍で何年ぶりかに諏訪の実家に帰りました。
もう何回も当ブログには登場していますが、実家のお風呂は源泉かけ流し。ということで実家に着いたらすぐ風呂に。
久しぶりのサービスショットです(笑)
夜はおふくろさん、兄貴と焼肉食べ放題!
翌日はおやじさんのお墓参りして、長野県民のソウルフード、テンホウラーメンをいただきました。帰ってくると無性にこれが食べたくなるんですよね。
午後は例年だと軽く霧ケ峰でもお散歩するところですが、どうも天気が怪しいみたい。
博物館か美術館でも行こうかなと思っていたところで閃いた。
郷土の作家新田次郎の記念館みたいなものがあるって聞いたような気がするな。ネットで調べたら諏訪市立図書館の2階にあるというじゃないですか。市立図書館ってどこにあるんだろう?調べてみたらナント!わが家から徒歩3分(笑)
文化センターの一角に図書館がありました(ボクが住んでいた時は図書館ってもっと遠くにあったんです)。
立派な図書館ですね。2階に行くと・・・
新田次郎の書斎が再現されていました。ちなみに新田次郎というのはペンネームで、生まれ育った地域である諏訪市角間新田(かくましんでん)の新田から取ったということです。新田の次男で次郎なんですね。知らなかった。
新田次郎が使っていたピッケルや登山靴も展示されていました。
これは映画にもなった「剱岳 点の記」の取材メモや生原稿。新田先生は小説を書くときに必ず現場の山に登ったんだそうです。
愛用の筆記具なんかも展示されていました。
新田先生の蔵書はナント、貸出もしているようです。すごくないですか。
さすが、気象学や地理学の難しい本もたくさん並んでいました。
ボクが展示コーナーにいる間、2階に登ってくる人は一人もなく、じっくりと見学できましたよ。まさかこんな近くにこんな施設があったとは!!
ふらっとお隣の文化センターに寄ると、平山郁夫の版画展なるものをやっていました。
実際にはシルクスクリーンやリトグラフの販売会だったみたいですが、入場無料とのことなので目の保養になりました。
夜はいつものように実家でお寿司と地酒。
家の前で花火を見て今回の帰省が終了。
まあ、毎回変わらない帰省のパターンですがここ数年はコロナ禍で出来なかったんですよね。
ようやく日常が戻って来ました。
年に2度くらいはおふくろさんに顔見せないとな。またこのパターンで帰省しよう。