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2022年10月02日

信州山のグレーディング最高難度、大キレット&穂高縦走 後編 穂高縦走編

9月15日(木)~9月19日(日)

信州山のグレーティングの難易度1位2位の「大キレット」「穂高縦走」にチャレンジしたレポの後編 穂高縦走編です。

前編 大キレット編 はコチラ
信州山のグレーディングの表はコチラ

なんとか大キレットを歩き切り、北穂高山荘のテラスに到着しました。



放心したようにテラス席に座りこみしばらくボーっとします。じわじわと嬉しさがこみ上げてきました。
テラスは北アルプスの展望台ですね。奥に見えるのは槍の穂先。右側の尾根は先月歩いた表銀座と奥にはパノラマ銀座の稜線です。北アルプスの絶景を堪能します。
さあ、これからどうしよう。ここまでですごく疲れていたら、ここから下山して涸沢か横尾で終了しちゃおうかとも思ったんだけど・・・まだ8時30分だしここで終わるにはあまりに早すぎですね。体力的にはまだ行けそうです。ということで、奥穂高方面に向かうことにしました。ここからの「穂高縦走」ルートは信州山のグレーディングで大キレットに次ぐ2番目に難易度が高いルートです。グレーティング掲載123ルート中の1番と2番を続けてやっちゃいますよ。



さあ、行きましょう。小屋のすぐ裏、本当に1分くらい歩いたところに北穂高岳の山頂がありました。あまりにあっけなくてちょっと感動が薄かったなぁ



一応、自撮りで記念撮影。



さあ、これが穂高縦走の縦走路です。こっちも雰囲気は違いますがおどろおどろしい感じですね。



しばらく下りて振り返って見た北穂高岳。なんだ、けっこうかっこいい山頂じゃないか。こっちから登ったら達成感あったんだろうな。



しばらく下ると涸沢方面との分岐があったんですが・・・見落として涸沢方面にしばらく下ってから間違いに気づいて登り返しました。



これから行くルートが見えました。これは大キレットに勝るとも劣らない難ルートですね。気を引き締めて行きますよ。



まずは大きく下ります。奥に見えているのは笠ヶ岳。ずーっと北アルプスの眺望が見えています。



高度感のある稜線歩きが続きます。
ちなみに前を行くこの方とは奥穂高岳山荘まで抜きつ抜かれついろんな場面でお会いする度会話をしましたが、百名山99座で来週剱岳で百座だそうです。おめでとうございます。ボクは3年後かな。



出た!ヤバいところです。慎重に一歩一歩降りますよ。



正面に見えるのがドームってヤツでしょうか。



高度感のある下りです。慎重に慎重に。



出た!ここが有名な奥壁バンドです。事故多発地帯なんですよね。より気を引き締めて行きます。



このペンキマークに従って行くんですね。絶壁をトラバースします。足場が狭いので一歩一歩確実に進みます。



奥壁バンド、終了してホッとしたところで振り返ってパチリ。どうにか難関をクリアしました。



やっと涸沢岳が見えました。これも3000m峰です。



最底コルまで来ました。ここからが最後の登りですよ。



北穂なみの急登ですね。



この鎖から左側の棒に持ち替えるんですが・・・



下はこんな感じ。気を抜かなければ大丈夫と分かっていても汗が出ます。



まだまだ続く岩だらけの登り。疲れがどっと出てきて登りは足が思うように出ません。



北アルプスの眺望も続きます。こっちは黒部五郎や鷲羽岳。



下には涸沢のテン場が見えました。



これが歩いてきた先ほどから稜線です。岩ゴロゴロで、大キレットとはまた違った難易度でした。



さあ、やっと涸沢岳山頂に到着しました。もう心も体もクタクタです。



自撮りで記念撮影。
ここで百名山99座の方と1時間近くも話し込んじゃいました。来週の劔、晴れるといいですね。



奥穂高岳山荘がすぐ下に見えました。あそこが本日のゴールです。



ヨロヨロと奥穂高岳山荘に到着。やっと終わりました。無事生還です。山のグレーティング難易度1位と2位をやりきりました。すごい達成感です。
さあさあ、もうひと仕事、テントを設営しましょう。奥穂高岳山荘のテン場は涸沢岳下の段々にありました。



張る場所は自分で好きな場所を選んで申請する方式でした。ボクはポッツンで絶景が見られる31番をチョイス。設営完了。



さあ、一杯やりましょう。
オレは生きてるぜ~



風が冷たいのでテントにもぐりこみました。テントの中からも奥穂が見えます。



テン場から見える夕日がキレイでした。



夕食はウマーメシシリーズの蒙古タンメン監修の辛いヤツ。やっぱり生卵インでいただきました。縦走で軽さ優先だったからしかたないけど、肉が食いたいな。



奥穂も赤く染まり暗くなってゆきました。


今日は疲れた。おやすみなさい。




9月18日(日)

朝食は昨日に続きごろっとグラノーラのチョコナッツ味。昨日はホットで食べたんですがふやけてあまり旨くなかったので、今日は常温で。やっぱりカリカリの方がウマいですね。



朝4時50分、ヘッデンを点けてスタートです。本日は下山だけ・・・みたいなものですが一応ルート上にあるので奥穂高岳の山頂を通過します。



振り返ると涸沢岳のシルエットとテン場の明かり。



40分ほどで山頂に到着。一応、日本で3番目に標高の高い山頂です。
ガスって何も見えませんね。でも今回は奥穂さん、帰る途中というだけで特に期待もしていなかったのでショックもありません。



とっとと山頂を後にします。しばらく歩くとガスが晴れてきましたね。



しばらく吊り尾根を行きます。基本なだらかな下りが続くんですが時々鎖場も出てきます。



吊り尾根も難所なんて言われたりしますが、昨日のルートに比べればお散歩道ですね。でも気を抜くとヤバイので緊張感は保ったまま。



西穂さんも見えてきました



紀美子平まで下りて来ましたよ。今回前穂はパスします。



ここからはこの急な下山ルートを行きます。



この急なルート、登りでは使いたくないなぁ 一気に標高を下げていきます。



岳沢のテン場まで下りて来ました。去年ふじじぶんさんと張った場所です。



岳沢小屋に到着。ひと休憩させてもらいます。ここまで来れば、もう命に係わる場所はありません。本当に生還しました。



後はお散歩道の岳沢を下山。



上高地の平まで下りてきました。



河童橋周辺は観光客が一杯で別世界です。なんか不思議な感じ。



穂高さんさようなら。また来ます。


ということで、バスに乗って沢渡経由で車に乗り帰宅しました。


信州山のグレーティングの難易度1位2位の「大キレット」「穂高縦走」は本当にヤバいところの連続でしたが、無事歩き切ることができました。
年齢と共に体力も落ちるし、バランス感覚も悪くなるって言いますからね。今のうちにやっておきたかったんですよ。
それにしても疲れたなぁ さあ、次はどこに行くかな。
  


2022年09月28日

信州山のグレーディング最高難度、大キレット&穂高縦走 前編 大キレット編

9月15日(木)~9月19日(日)

「信州山のグレーディング」という、登山の難易度を客観的に分類した表があるんですよね。

グレーディングの表はコチラ

その山のグレーディングで最高難度のEランクに指定されているのが「大キレット」と「穂高縦走」の2ルートです。
何しろあの「槍ヶ岳」でCランク、3大キレットと呼ばれる残り二つの「八峰キレット」「不帰キレット」や難関ルートで知られる「西穂高岳」でもDランクですからね。その難度の高さが分かると思います。
今回は、ナント!その最高難度の2ルートを繋げて連続でやってきました。
さすがに充実感ハンパじゃなかったですすね。生きて還ってこれて良かった(笑)

長くなったので、前編 大キレット編 と 後編 穂高縦走編 に分けてアップします。




9月15日(木)

仕事から帰ってきて21時に自宅を出発。調布ICまで下道を走り中央高速で松本ICまで。下道で約1時間走って沢渡の駐車場には1時30分に到着しました。一杯飲んだらおやすみなさい。



9月16日(金)

朝は5時にお目覚め。天気予報の関係で1日早く休みを取ったので今日は平日、駐車場にはまだ空きがあります。明日からは3連休だから、今晩からかなり混雑すると思われます。



余裕をもって、6時始発のバスの30分前にチケット売り場に行ったら、すでに100m近い行列が出来ていました。平日だと思って舐め過ぎましたね。



6時のバスには乗れなかったけど、どうにか6時15分の臨時便に乗ることができました。



バスに乗ること30分ほどで上高地バスターミナルに到着。早速準備をします。
ちなみに今回お初の道具がコチラ、ブラックダイヤモンドの3分割で折りたためるストック アルパインFLZです。ボクの愛用のシナノのカーボンポールは先日の越後駒ケ岳に行った際に折れちゃったんですよね。ポールが折れたのは2度目なので、今回もシナノさんに格安で修理してもらおうと思ったんですが、ボクのポールは製造中止になっていて、修理不可能とのことでした。ショック・・・
そこで、新しいストックを探し始めたんですが、今はストックですら現材料不足で品薄なんですね。ネットで探してもなかなか購入できないんです。これもよくやく見つけて手に入れることができました。ちなみに、今回のポールはアルミ製で4シーズン対応の丈夫なヤツです。



もう一つ新しく手に入れたのが、ザックの背面に付いているこのスノコ状の物体。名前は「汗とおる君」といいます。ふざけたネーミングですが、ザックが背中にくっつかないので背中の汗対策として評判がいい、お値段も2460円とお手軽なので買ってみましたよ。感想は後ほど。



さあ、行きましょうか。見慣れた河童橋の向こうには穂高連峰ですね。雲一つない青空です。



河童橋からすぐに小梨平のキャンプ場があります。このキャンプ場も雰囲気が良いんですよね。一度は泊まってみたいものです。



しばらくは梓川沿いの道をお散歩です。左手に見える明神岳、かっこいい。



奥に見えてきたのは、先月登った大天井岳ですね。表銀座、堪能しました。



スタートから1時間半ほどで徳澤園に到着。ここは先月最後に泊まった場所です。相変わらずリゾートな雰囲気ですね。
まだまだ先は長いので写真だけ撮って通過。



徳澤園からさらに1時間ほど歩いて横尾に到着しました。状況に寄りますが、大キレットがあんまりヤバければ途中で断念してここに下りてくることも想定しています。



横尾までは車も通れるような道でしたが、ここからいよいよ登山道の始まりです。



スタートからここまでは、ずーっとほぼフラットな道が続きます。楽は楽なんですが一向に標高が上がらないのでかったるいんですよね。



スタートから4時間弱、やっと登りが始まったと思ったら槍沢ロッジに到着しました。さすがに疲れたのでここでザックを下ろして大休憩します。
「汗とおる君」ですが、心配した背中の痛みや違和感はほとんどない上に、風が抜けると背中が冷やされるのを実感できます。これは優れものですね。買って良かった。



槍沢ロッジから30分ほどでババ平のテン場に到着しました。ここのテン場は以前、ふじぶんさんと連泊したところです。テン場代は槍沢ロッジで利用料を払うんですが、小屋とテン場離れすぎでしょ!ビール買いに行ったら往復1時間(笑)



ここでランチタイムにします。今回のカップラーはなんと!信州のソウルフード「テンホウ」のテンホウ麺です。ボクのブログでは度々登場しますね。まさかカップラーになるとは。
それでは実食してみましょう。極太麺を一口すすると、これは独特の匂いがあって残念な感じ。スープは長崎ちゃんぽんのような白湯スープですが、後入れの油のおかげで一瞬懐かしの香りがしましたが、再現度が高いとは言えません。
期待値が高すぎたんでしょうか。星★★☆☆☆ 2つです。残念。



お腹が一杯になったところで先を急ぎます。以前槍をやった時はもうゴールだったんですが、本日はコースタイムであと倍歩かなくちゃいけません。正面に先月歩いた東鎌尾根を見ながら登ります。ここから見てもギザギザの難儀な稜線ですね。



振り返ると西岳ですね。先月は西岳から槍沢を見下ろしたのを思い出します。



さあ、いよいよ天狗原方面への分岐まで登って来ました。ここからは初めて歩くルートになるんですよね。



槍沢を横切るように道がついています。
803



さすがに歩く人も少ないルートですね。今一つ踏み跡がはっきりしません。ペンキを頼りに進んで、槍沢の広い岩ゴロゴロの河原を渡り切りました。振り返るとこんな感じの景色です。



登山道はこの隙間に吸い込まれていくようです。いよいよ尾根に登る感じでしょうか。



登り上げると溶岩?がゴロゴロのフラットな地形になりました。この辺りが天狗原でしょうか。



先に進むと眼下に天狗池が見えました。山中の池ってほとんどが濁って汚いことが多いんですが、ここの水はは湧き水でしょうかね。飲めそうなレベルの透明度です。



池の反対側に回り込むとこの光景が。名物の逆さ槍です。見事な逆さ槍が見れて満足満足!



さあ、岩ゴロゴロの急登を先に見える尾根まで登りますよ。




ヒーヒー言いながら急登を尾根まで登り上げると・・・ 残念 右手にもっと急な登りが待っていました。



ちなみに尾根の反対側はこんな感じです。



ここからの急登は岩が大きくて、歩くというよりは手も使ってよじ登るという感じ。梯子や鎖もあって息も絶え絶えです。



登ってきた尾根を振り返るとこんな感じ。とにかく急で長い。てっきり南岳へのショートカットルートだと思ったんだけど甘かった。




へロヘロになりながら、どうにか急登の先の尾根上まで出ました。尾根まで出るとさすがに南岳はもうすぐそこだ。



反対側は槍~大喰岳~中岳の3000m級の稜線。いつかはこっちも歩いてみたいな。



さあ、あと少しで南岳山頂です。



やったー!! 南岳山頂に到着♪ いや~疲れた。本当に疲れた。



山頂直下には南岳小屋が見えますね。あそこが本日のゴールです。その向こうに見えるのが明日歩く穂高の岩塊。見ただけでヤバイ感じがしますね。



小屋のすぐ下にテン場がありました。さすが3000m近い標高にあるテン場ですね。風がかなり強いんでしょう。風除けの壁がたくさんありました。空いていた壁の裏側に設営完了。



さあさあ、一杯やりますよ。うめ~ 疲れた体に染みわたります。



さあさあ一休みしたら夕食にしましょう。夕食はここのところの定番、カレーメシに生卵子インの軽くて栄養満点メシです。でもちょっと飽きてきたなぁ



あっという間に日が落ちて行きました。
7823


明日はいよいよ核心部の縦走だ。早めにおやすみなさい。





9月17日(土)

さあ、いよいよ決戦の朝です。朝食は前回食べて気に入った、ごろっとグラノーラのチョコナッツ味を今回もいただきます。さすが3000mのテン場ですね。寒かったのでスキムミルクはホットにしてみました。暖かくて良かったんだけど、ザクザクした食感がちょっとふにゃふにゃになっちゃった。



さあ、午前5時15分いよいよ大キレットに向けて出発です。ヘッデンスタートですがすぐに朝日が昇り始めました。



歩き始めて5分ほどで、ついにお大キレットの姿が見えました。初めて間近で見ますが、思った以上の高低差ですね。これを全部歩くんだ。生きて還るぞ。



さあ、いよいよ下りが始まりました。ものすごい急な下りです。足場も悪いので滑ったり石を落とさないように慎重に歩きます。一瞬でも気を抜くと命とりですからね。



朝日が当たってきました。稜線が輝きます。



とりあえず難所の下りはクリア。下ってきたルートを振り返るとこんな感じです。なかなかのものでした。



そして行く手は両側が切れ落ちた岩ゴロゴロの稜線。



でも稜線は思ったよりも広いですね。しばらくは緊張を解ける稜線歩きです。



左右が切れ落ちているだけあった右も左もアルプスの景観が広がります。絶景絶景!すばらしい!



緊張を解けたのもつかの間、すぐに緊張する登りが始まりました。これが有名な長谷川ピークですね



長谷川ピークは岩をよじ登る感じです。



しばらく登って振り返るとこんな感じ。高度感ありますね。



登りが終わると長谷川ピークの頂上に到着しました。
あれ?有名な長谷川ピーク、思ったより怖くなかったな。ピークで会った方と率直な感想を交換。



記念撮影を自撮りでパチリ。



長谷川ピークからの360度の眺めは動画でどうぞ



ところが・・・長谷川ピークの怖いところは下りで待っていました。両側がスパっと切れ落ちたナイフリッジです。ミスったら命はありません。



途中はヤバかったので写真はなし。本当にヤバイところは写真撮っている場合じゃありませんからね。
安全なところまで下りてきて見上げたナイフリッジの壁です。ド緊張でした。



さあ、いよいよ北穂高岳への登りが始まりますよ。



しばらく登って振り返るとこんな感じ。すごい高度感です。落ちたら命はありません。



一旦下ってA沢のコル。ここから本当の登りです



スゴイ角度の登りです。



これは本当に落ちたらヤバイやつです。緊張感を保って。気を抜くと死ぬぞ。



歩いてきた稜線が絵のように美しい。



これは穂高方面の岸壁。山自体が岩でできているんですね。



緊張の連続で頭はしびれていますが、興奮で体の疲れはさほど感じません。
さあ、あと一息で北穂高岳の山頂ですよ。



展望台がありました。



奥には笠ヶ岳の絶景が。



高度が上がってきたので、南岳の向こうに槍の穂先が顔を出しました。



さあ、いよいよ北穂高小屋が見えましたよ。あそこが大キレットのゴールです。



気力を振り絞って最後の登りを登り切り、北穂高小屋に到着しました。
やったー!!無事生きて大キレットを通過できました!
スゴイ達成感です。


さあ、これからどうするかな。このまま下山して涸沢か横尾でテン泊するか。それとも難易度2位の穂高縦走にチャレンジするか。悩ましいな。



後編につづく