9月12日(日)〜9月15日(水)
コロナの影響で南アルプス南部の山小屋はすべて休業。登山口までのバスも当然運休です。
ただし、各小屋とも避難小屋として一部を開放しているとの事。
それってもしかして、自力で登山口まで行ければ無料で登山するチャンスってことじゃね?
ということで、片道17kmの林道を折り畳み自転車で激走して、南アルプス南部の奥深い山に行ってきました。
百名山83.84座目悪沢岳・赤石岳ゲットです。
9月12日(日)
仕事が終わってから21時に自宅を出発。
24時前に新東名の清水PAに到着。
仮眠します。
9月13日(月)
4時に清水PAを出発。延々と山道を走ること2時間、6時に沼平のゲート前に到着しました。
今回は小屋泊前提でテントは持たず、万が一のためツェルトのみ。2泊で水2.5L入れて11kg。ボクとしては超ウルトラライト装備です。
車で行けるのはここまで。ここから先は、歩くか自転車で行くしかありません。
ということで、車のトランクに折り畳み自転車を入れてきましたよ。
愛車ローバーくん、変速機はないんですよね。はたして17kmも漕げるのかな?
しかも登山口までは登り基調なんですよね。
さあ、行きますか。
10分ほどで先日、聖岳・光岳を登った時に渡った畑薙大吊り橋に到着しました。
まだまだ序の口。先に進みますよ。
林道はすぐに砂利道になりました。う〜ん、漕ぎずらい。しかも漕いでもなかなか前に進みません。
登りが続くのかと思ったら、アップダウンが続きます。登りはムリせず降りて自転車を押します。
川沿いの道を進みます。眺めが良かったので自転車を下りて1枚。
漕いだり押したりを延々繰り返し、道路が急にコンクリートで舗装された道路になったと思ったら、赤石ダムが見えました。
ダム関係者と工事関係者は車でが入れるんですよね。マイカーも開放してくれるといいのに。
ダムの先にこんなところがありましたよ。
紐のように垂れ下がっているのはガードレールです。手前でぐにゃりと曲がっているのはガードレールの支柱ですね。土石流が道路を越えたんですね。自然の力は恐ろしい。
先日登った聖岳への聖沢登山口がありました。ここから登る人も数名いたみたいですね。自転車がデポしてありました。
スタートから2時間強、どうにか椹島の下山予定地に到着しました。先行者さんの自転車が2台ほどデポしてありますね。さすがにみんな変速機付きです。
なんだかもう一仕事終えた感じですが、ここからが登山です。千枚大吊り橋を渡ってスタートです。
先日のより畑薙大吊り橋しっかりしていますね。
でも、この高度感(-_-;)
登り始めると、こんな鉄塔がありました。
みなさん撮られているので真似して真下から1枚。たしかにこの構図で撮れることってあんまりないかも。
この登山道は鉄塔のメンテナンス用の道でもあるんですね。
奥の方にアルプスの山が見えましたよ。テンション上がりますね。
しばらく登っていると、不意に車道に出ました。実際にはこんなところまで車で来られるんですね。ちょっとがっかり。
ここから再度登山道に。
間伐されて明るい森に出ました。良し悪しはあるんですが、人の手が入った森って美しいんですね。
気持ちが良いので、ランチタイムにします。いつものようにランチパック。
今回の登山で一番気になっていたのは水の確保。小屋が営業していないということは、水が手に入らないということなんですよね。水場でちゃんと水が出ていないとアウトということになります。
最初の水場、清水平の水は豊富に出ていました。ここは枯れそうもないですね。良かった。
南アルプスはとにかく山が深くて樹林歩きが長い。
こんな美しい樹林歩きが続きます。
植生もたびたび変わって飽きません。
こんな山奥に池がありましたよ。駒鳥池だそうです。神秘的ですね。
さあ、あと15分。もうちょっとだ!
小屋近くには紫のお花が咲いていました。お花に興味のないボクですが、これはたぶんトリカブトですね。
先日茶臼小屋でご一緒した方に教えてもらいました。
登り始めから5時間、千枚小屋に到着しました。長かったなぁ
でも、小屋は営業していないんですよね。
小屋の先、5分ほど歩いたところに避難小屋として開放している百枚小屋がありました。
中は個室風に仕切られて9つに分かれていて、先行者さんお一人だけでした。ということで、窓のある角部屋を確保(笑)
窓からは富士山が見えました。
天気が良いので外に出て一杯やります。ビールは持ってこなかったので、ブランデーの水割り。
これは明日登る赤石岳ですね。待ってろよ〜
人心地ついたら、小屋に戻って夕食タイム。今回もカレーメシです。
生玉子を投入して栄養価アップ!
ブランデーをちびちび飲りながら、明日に備えて早めにおやすみなさい。
9月14日(火)
3時に起床。朝は定番のスキムミルクにシリアル。火を使わず、早い!軽い!ウマイ?
朝4時前にヘッデンを点けてスタートです。小屋のすぐ上の水場もたっぷりと出ていました。
ここでも水を補給しておきます。
小屋を出てから50分ほどで千枚岳山頂に到着です。東の空がうっすらと明るくなってきました。
先に進みます。暗い中、こんな梯子を下ります。
こんな岩場も下るのか。かなりの高度差、真っ暗だと恐怖感が増します。
東の空が明るくなってきましたね。富士山が美しいシルエットを見せてくれました。
そんな中、荒川丸山山頂に到着です。フラットな山頂。
自撮りで記念撮影します。
さあ、いよいよ百名山83座目の悪沢岳が見えましたよ。ヘッデンなしでも歩ける明るさになりました。
悪沢岳、名前の通り岩ゴロゴロでなかなか歩きにくい。
振り返ると歩いてきた稜線。
赤石岳もどっしりとした雄姿を見せてくれました。
ゴロゴロの岩場を登り、さあ悪沢岳、日本で6番目に高い山の山頂に到着です。
百名山83座目ゲットです。
360度の景色は動画でご覧ください。
遠く北アルプスや中央アルプスまで見渡せました。
さあ、3000m級の縦走路です。お次は荒川三山の残り2座、荒川中岳、荒川前岳を目指します。
気持ちの良い縦走路。これはすばらしい!
左は赤石岳、本日歩くルートが一望できます。
悪沢岳からはいったん大きく下るようですね。
かなり急な下りです。当たり前ですが、下るとまた登り返さなくあいけないんですよね(-_-;)
南アルプスは深いですね。右奥に見えるのは昨年登った塩見岳。
さあ、荒川中岳に登り返しますよ。けっこうありますね。
樹々の紅葉にはまだ少し早かった感じですが、草の葉が赤く色づいていました。
赤石岳を見ながら登ります。やっぱりアルプスっていいですね。
振り返ると悪沢岳。やっぱり独立峰の風格があります。
荒川中岳避難小屋に到着しました。
中を覗いて見ましょう。かなり狭いですね、これでは数名しか止まれません。ここを当てにしてここまで来ちゃうと混んでいたらと大変かも。
小屋からすぐの場所に荒川中岳山頂がありました。これも日本に21座しかない3000m級の山頂の一つです。
さあ、荒川前岳への稜線歩きです。
あそこが山頂ですね。
あっという間に荒川前岳山頂に到着。中岳山頂から10分しかかかりませんでした。
登山道の反対側はがっつり切れ落ちています。
さあ、ラスボスの赤石岳を目指しますよ。トラバースしながら鞍部に下ります。
振り返ると悪沢岳。
鞍部まではかなり下らなくちゃいけませんね。
ここがお花畑。少し時期が遅すぎましたね。ちょっと前まではお花が咲き乱れていたんでしょうが、ほとんど終了状態。
これだけ咲いていました。エーデルワイスの仲間ですよね。なんとかウスユキソウって名前じゃないかと。
荒川小屋が見えてきました。
荒川小屋に到着しました。アフターコロナに備えて?改装中みたいです。
小屋から5分ほど下ると水場が。しっかりと水が出ていて一安心。ここでたっぷりと水を補給します。
これが荒川小屋のテン場ですね。赤石岳ビューの眺めの良いテン場です。
荒川小屋の先にある冬期避難小屋はこんな感じ。小屋の規模としてはここもずいぶん狭いですね。数人で一杯です。あまり当てにはできませんね。
小屋前で、やっぱりランチパックのランチタイム。
さあ、また登りが始まりますよ。ダケカンバの黄葉は始まったばかり。
トラバースしながら赤石岳に向かいます。
振り返ると、今まで歩いてきた3000mの稜線が。
トラバースして大聖寺平に到着。いよいよ赤石岳への登りが始まります。
振り返るとこんな感じ。
さあ、がっつり登りますよ。
正面に見えていたのが赤石岳だと思ったら、小赤石岳だった。赤石岳は右に見えるトンガリのようです。
またまた振り返ると、歩いてきた稜線が。溜息が出るようなアルプスの光景です。
急登を登り切ったら小赤石岳の山頂が見えました。
赤く染まる高山植物。
何度も振り返る、気持ちの良い稜線歩き。
左に見えてきたこの尾根を下ったところに今晩泊まる赤石小屋があるはす。
よく見るとありましたよ。赤い屋根の赤石小屋が。
赤石小屋との分岐に到着。まずは正面に見えるラスボス赤石岳を目指しますよ。
いよいよ赤石岳へのビクトリーロードが見えました。
左手には常に富士山が見守ってくれています。
黄色も高山植物です。
さあ、赤石岳の山頂です。
百名山84座目、赤石岳ゲットです。自撮りで記念撮影。
これが日本で7番目に高い三角点です。奥に見えるのは先月登った聖岳&上河内岳。
歩いてきた稜線が一望に。さすがに長いな〜
山頂直下には赤石岳避難小屋がありました。
先にもう一つの山頂標識が見えますね。行ってみましょう。
東赤石岳?山頂に到着です。
聖岳はこっちの方が良く見えました。
戻って赤石岳避難小屋の中を覗いてみると・・・ここはかなり広くて快適そう。
ここなら安心して泊まれそうです。
小屋の中にはこんなものが。
開けてみると・・・ おー!!食料が。
ワンカップと焼酎も。
お言葉に甘えていただきます♪
さあ下山です。荷物も増えたけど元気いっぱい。それにしてもずいぶん急な下りですね。
しばらく下って見上げると下ってきた稜線までのルートが。良く下って来たよな。
でも、まだまだ下ります。
見上げると・・・こんな急なところ下って来たんだ。登りには使いたくないルートです。
沢沿いのルートから先ほど見えた稜線に登り上げます。
稜線からは、朝から歩いてきた荒川三山の稜線が。
やっと赤石小屋に到着しました。
避難小屋として開放されている冬期小屋は50mほど先にありました。
中を覗いて見ると・・・とってもきれい。今晩はここでお世話になります。
さっそく、山頂の小屋でいただいた親子丼の具材をつまみにワンカップをいただきます。
うめ〜 日本酒って重たいからなかなか山には持ってこれないんですよね。
窓の外は雨が降り始めました。ギリギリセーフです。
夕食もいただいてきた賞味期限切れのラーメン。ウマーメシも持ってきたけど、飽きていたのでラーメンがうれしい!
結局この日、避難小屋は貸し切りでした。
9月15日(水)
朝食はまたまた、スキムミルク&シリアル。うまくもないけど不味くもない。
さあ帰りましょう。
急な坂を下り終わるとこんな看板が。歩荷返しですか・・・登りでは使いたくないな。
雲の中に入ると幻想的な風景に。
小屋から激下りで、2時間ほどで下山完了。
下山口にはデポしたローバーくんが待っていてくれました。
さあ、帰りも17kmのチャリ回送です。赤石ダムもブルーに輝いていました。
行きでは気が付かなかったけど、途中に笊が岳の登山口がありました。この吊り橋を渡って行くようです。
昨夜の雨でドロドロになったダートを必死で漕ぎます。
あの橋を越えると、舗装道路になったはず。もう少しだ。
やっとゲートまで戻ってきました。
ダートを走ったローバーくん、ドロドロです。気が付かなかったけど、ザックやおしりも跳ね上げたドロでドロドロだった(-_-;)
ということで、難関といわれる南アルプス南部登山が終了しました。東海フォレストのバスを使わないと登れないと思っていた悪沢岳と赤石岳。思いがけずコロナのおかげで自力で2座登ることができました。おまけに最初から最後までお財布を開かないという理想的な登山に。
さあ、来週は鹿児島遠征!86座を目指します。